昨(16)日、神戸のジーベックホールで開催された
「北欧白夜祭2007」(主催:ハーモニーフィールズ)に出かけてきました。
http://www.harmony-fields.com/concert_nr/sp/wn2007.html
会場前から順番を待つお客さまたちが炎天下に並び、
コンサートもグッズ販売もカフェもワークショップも
にこにこ顔の人たちで、大変賑わっていました。
←←←夏至祭に立てられるポールが登場!
ここでは、その中で一番深く心に突き刺さり、
これからもずっと残るだろうな、と思ったことを切り取って書きます。
それは、インテリア・コーディネーター、高津有子(ありこ)さんの
トークショウの中で紹介された、たった1枚の写真でした。
作家、故アストリッド・リンドグレーンの名を冠した子ども病院
(スウェーデン・ストックホルム市内)の中。
縫いぐるみの人形が数体、クローズアップで写っています。
その一番手前に見えた人形は、下半身がズボン。
これは、おそらくパジャマのズボンです。
上半身は裸。
そして・・・
そのむき出しの胸に、なんと(おもちゃの)チューブが入れられ、
テープのようなもので止めつけられているのでした!
「じわわーん」と涙が出ました。
「普通の服を着ている五体満足な人形は、子どもたちの心を傷つけます。
だから、ここではすべての人形が、パジャマを着ているし、
みんなカツラをかぶっているのです」と。
‘病気が日常’の子どもたちが、それを(少しでも)受け入れやすいように、
人形の細部にまで神経を行き届かせているなんて、
なんて素晴らしいことでしょうか!
「孤独は病気よりも悪い」という病院の信念が、ここにも生かされています。
他にも、「おままごと用・お医者さんの診療道具セット」なんていう
(結構リアルな)おもちゃが揃っていたり、
実際に子どもたちが可愛らしい売店で、院内通貨を使って
ものを売り買いできたりするんです。
それらはみな、「この病院の中こそが、この子たちの日常だから」
という考え方に基づいて用意されたものです。
さらに、子どもを入院させなくてはならない家族の宿泊設備から、
心のケアにまでも、細かい心配りがなされている、とのことでした。
ちなみに、ここでは、ベッド数180(18歳までの子ども。07年1月現在)に対して、
スタッフ人数1,500(参考内訳:医師220、ナース1,000、カウンセラー8)だそうです!
いろいろ考えさせられます。
この病院だけが特別なのではなくて、大人の病院やケア・ハウスなども、
スウェーデンでは、どこもこの調子なんですからねぇ。
「お祭り」という催しを覗いたはずでしたが、
想像していたのとは全然違う‘おみやげ’をもらって帰宅しました。
※高津有子さんのサイトはこちら↓↓↓から。
ここから、私が感激したその人形の写真ほかもご覧になれます!
http://www.hcn.zaq.ne.jp/arys-act/
calvinaさんの記事をよんで、高津さんのサイトも見てみました。
お人形の画像、ほんとうにポロっときました。
健康に恵まれていない人の立場に立って、そしてまだ幼い子供の身になった細やかな、しかもデザイン的にも美しく楽しい、こんな素敵なことをすんなりできてしまうというのは
やっぱりすごいことですよね。
先日TVで日本では介護が必要な人4人に対してスタッフ1人だというのをたまたま見ました。(嘆)
投稿情報: Asa | 2007/06/19 20:33
Asaさん!
本当に、日本の現状と比較する時、医療関係者ではない私たちでも
わからないままに一気に絶望してしまうようなところがありますよね。
日本の現場、一線で踏ん張っている人たちのことも、いろいろ考えてしまいます。
投稿情報: calvina | 2007/06/20 09:47