映画『キリク』をご覧になった方、おられますか?
「好きだな」と思われた方にはお薦めの映画が
現在公開されています。
アニメーションだと思って馬鹿にすると、とんでもない。
ため息が出るほどに、脳みそに沁み込んできます。
モノクロなのに、いや、モノクロだからこそ、
力強く訴えかけてくるものがあるのですね。
声を担当している女優さんたちの話題も豊富ですが、
単純に、彼女たちがそんな有名な人たちでなかったとしても
関係なし。 繊細で美しい仕事にうっとりさせられました。
フランス語の音の響きにも、助けられているのでしょうか。
中近東は、どうしても私たち(少なくとも私)から遠い所で、
理解しようとしてもその材料に乏しいのが実情ですが、
このアニメーションを通して見えてくるものは、
スパイスやディテイルがそぎ落とされた
ごく普通の人たちの普通の生活と考え方。つるりと飲み込めました。
1970年代からのイランの状況を、静かに学ぶことができます。
主人公の女の子の顔を見るなり、鼻の奥が何故かつーんとします。
この子のおばあさんが、とっても毅然としていて惚れ惚れしました。
「公明正大に生きよ」と、繰り返し女の子を導きます。
●『ペルセポリス』
監督・脚本・原作:マルジャン・サトラピ
(この女性の自伝的ノヴェルを本人が映像化)
2006年 フランス
白黒のアニメーションはまだ見た事がないですが、インパクト大なんでしょうねー。
個性的な画なのでより気になりました。
投稿情報: ナッツピー | 2008/01/27 21:09