熱心に神社仏閣を巡る趣味はありません。
ありませんが、ときどきその世界に
静かにどっぷりと潜り込みたい気持ちはあります。
木喰(もくじき)さんは、山梨の山村に生まれ、
江戸時代後期に各地を転々としながら、
気どらない、微笑を誘う木彫の仏様を数多く残した人です。
五穀と塩まで断つ修行(主に食するのは木の実などということになります)が
世の中に存在するなんて!
本当は、「木喰上人」と呼ばなくては失礼なのかもしれませんが
寺も特定の宗派も持たずに山野に入り、民衆とともに生きた人ですから、
「木喰さん」とあえて呼ばせてもらいます。
彫り始めたのが、還暦を過ぎた頃から。
さらに、まろやかに微笑む像を生み出すようになったのは、
80歳を過ぎた頃からだとか。
(木喰さんの年齢については、「すべて10歳若く考えたほうが良い」
という研究もあるようですが、ここでは最も一般的な説に従って記述しています。)
生み出された仏たちに団子鼻で頬骨の高いお顔が多いのは、
木喰さん本人の顔を模した結果なのでしょうか。
各地に散っている、この木喰さんの作品を
いっぺんにできるだけたくさん観たくて、展覧会に足を運びました。
(ポスターを見かけた時から、ずっと気になっていたんですよ。やっと念願かないました!)
年齢と反比例して、さらにみずみずしいものを生むように進化するなんて、
木喰さんの歩みは、ある種の理想ですねぇ。
※作品写真の一部や展覧会の詳細はこちら↓↓↓から
http://museum.city.fukuoka.jp/jf/2007/mokujiki/html/mokujiki.html
※木喰さんの展覧会は、
兵庫(07年10月6日~11月4日/明石市立文化博物館)、
福岡(08年1月5日~3月2日/福岡市博物館)を経て、
大阪(3月13日~4月1日/京阪ギャラリー)、
山梨(4月5日~5月6日/山梨県立博物館)、
愛知(5月16日~6月22日/豊橋市美術博物館)、
神奈川(6月27日~7月24日/そごう美術館)へ巡回します。
展覧会、行ってみたいですね。
でも、住んでるところではやっていないので、
どこまで行って見たらいいのか、迷ってしまいます。
まだ、先のことだし。
投稿情報: rakkyo | 2008/02/25 10:40
rakkyoさん!
こんにちはー。
そうですね・・・よかったら、ぜひ。
できるだけお近くに巡回するまで、しばらくお待ちいただくことになりますか・・・。
とにかく、機会があれば、ぜひお出かけくださいね。
肩凝らなくて、おすすめです。
柳宗悦が編纂した木喰さんの作品集(写真と解説文つきの大きな本)もあります。
すでに戦火で消失した作品なども紹介されているようです。
今度、図書館で探してみたいと思っています。
投稿情報: calvina | 2008/02/25 13:16