小さい頃、母親がこっそり、私の苦手な野菜を
カレーに入れて食べさせていました。
（いや、もとい・・・「食べさせてくれていました。」）
今でもそうですが、カレーにだったら
ちょっぴり苦手なものが入っていても大丈夫。
知らない土地で、ひとりでご飯を食べなくてはならなくなっても
カレーなら、まず「大失敗した！」ということがありません。
注文してから、長く待たされることも少ないですしね。
日本のカレーを発明してくれた人に、大感謝です。
JR渋谷駅を背中にして、ゆるい坂道をのぼり
少し脚が疲れてきた頃に見えてくる古いビル。
この地下に、小さなカレー屋さんがあります。
随分前に、友人が教えてくれた店。
本店が好評を得て、都内に支店を出したうちの一件なのだとか。
カウンターとテーブル席がほんの少しだけで
学生、サラリーマン、主婦などなど、
いろんな人たちが入ってきます。
厨房のお兄さんたちも、きびきびしていて気持ちが良い感じ。
「準備した分がなくなったら、その日は店じまい」
という潔さにも好感が持てます。
フライドチキンと大根のカレーなんかもありますが、
ドライカレー風のペーストを薄くのせたご飯に
さらに（別の）さらりとしたカレールーをかけて食べるものが、
私の目下のお気に入りです。
カレー屋さんは、お客さんの入れ替わりが比較的早いので
まとめてさらりと人間観察するにも都合が良い、というか
とっても便利で楽しいと思います。
カレーだけをテーマにした本やブログやHPもあるくらい
奥深い世界ですよね。
誰にでも語れるネタが豊富にあり、
たくさんの人たちが、お気に入りの店を持っています。
「坂道カレー」と、勝手に名前をつけました。
実は、別の町の坂の途中にも、
気にいっているカレーを出す店があるんです。
この週末、久しぶりに、
自宅でもていねいにカレーを煮てみたくなりました。
最近の記事
カルビーナの本棚
- 後宮の烏
2019年、集英社の夏の文庫キャンペーン「ナツイチ」でリストに入った人気中華奇譚。ドロドロしたところが無く、一冊で綺麗にまとまっているが、シリーズ化した。8月21日に3巻目が刊行される予定。 （集英社オレンジ文庫） 長田 弘: 食卓一期一会 (ハルキ文庫)
ついに出た文庫版。ハードカバーの単行本とは味わいと用途が違うので、これはこれで欲しい、という人がたくさんおられるはず。個人的には、旅に連れて行きたい。白央 篤司: にっぽんのおにぎり
地域地域に名産・特産を生かしたおにぎりがある。それらがアップの写真で順に紹介されているシンプルな絵本。元気が出て日本の食を見直すことができる。長田 弘: 長田弘全詩集
「全詩集」というタイトルをつけた新刊本が出た、と知った時、「まだまだ活躍していただきたいので、「全」というのは早すぎるのでは」と思った矢先の訃報に大ショック。ただ、長田さんが私の中に残してくれた「たしかな記憶」は死なない。むしろ育つ。串田 孫一、埴沙萌他: 光の五線譜
写真を撮影したのは昆虫の栗林慧、植物の埴沙萌、動物の吉野信。これに一つひとつ文章を付けたのが串田孫一。その文章は、読めば読むほどに広がりを見せる物語だ。レイアウトは杉浦範茂が担当し、粋な遊び心で全体をまとめ上げている。松家 仁之: 火山のふもとで
ピースを一つ一つ自分で削りだし、磨き上げてから組み立てた精緻なパズルのよう。どこをどうチェックしても美しい。新潮クレスト・ブックス、『芸術新潮』、『考える人』に貢献した名編集者が転身、2012年7月に発表した初めての小説。フランク・ロイド・ライト、アスプルンド、北欧、建築、家具などに興味ある人は特に要チェック。安野 光雅:佐藤 忠良: 若き芸術家たちへ - ねがいは「普通」 (中公文庫)
するする読める対談集。 『銀花』（文化出版局）の元編集長の発案で成った元本は、既に絶版。 対談に登場する芸術家、文筆家たちが何者であるか、というスポット解説も親切。「なにか特別なことをしなければ、この道は歩けないと思っている風潮はよくないと思う・・・」（安野氏による文庫版のあとがきより一部）高田 郁: 銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)
熱心なファンが増えている高田郁（たかだ・かおる）さんの作品の中で、唯一、男性が主人公。他の作品と同様、爽やかな涙を誘い、すっきりした読後感をもたらす、という意味では同じ魅力を持っている。大火に何度も襲われる大阪の街が、その度に逞しく復興する様子を、2011年3月の大災害と重ね合わせて再読した。堀井 和子: アァルトの椅子とジャムティー
もう10年以上前に刊行されているのに、最近の北欧ブームに乗って出された類よりも力強い魅力が続いている。メディアに紹介されたブランド名、商品名から、同じものを購入したくなる人たちを尻目に、自分の審美眼と使用感を大切に、ものを選び取る姿勢そのものが心地良い。谷川 俊太郎: 詩と死をむすぶもの 詩人と医師の往復書簡 (朝日新書)
こういう類の本は、読むタイミングがうまく来ると読むし、それが来ないといつまでたっても手に取れない気がする。たまたま私の読むタイミングがやって来た、と感じて、最近一気に。「おすすめ」というよりも「ずっと頭の隅っこにとどめておいて、何かの機会に読んでみて」とお伝えしたい。堀井 和子: おいしいテーブル (集英社be文庫)
「タコご飯の作り方」に引き込まれて手に取ったのが始まり。堀井さんの著書の中では、情報量が多いので、刊行直後に入手して以来、何度も読み返している。フランス・パリ郊外の旅、ふだんのメニュウやレシピの紹介などなど。カラー写真も多々。武満徹対談選―仕事の夢 夢の仕事 (ちくま学芸文庫)
この本には、妹分とも言える「エッセイ選」があり、08年12月6日に当ブログ本文でも取り上げている。存命かどうかは、私にとって、もはやどうでも良いのかもしれない。私の中で、ますますその存在が大きくなりつつある人のひとり。具 本昌: くらしの宝石
韓国の写真家、具 本昌(クー・ボンチャン）の作品集。英名"Everyday Treasures"。使い古されてゆく石鹸が宝石のように輝いて見える瞬間を捕らえ、閉じ込めた。この人の『白磁』という作品集（世界各地の美術館に収蔵されている朝鮮白磁の名作を撮りためたもの）にも、大いにひかれるものがある。T.E. カーハート: パリ左岸のピアノ工房 (新潮クレスト・ブックス)
いま、もう一度この作品を大切に読み返したい気持ち。音楽とどんどん離れてゆきそうな自分を、音楽のそばに戻すために。ノンフィクションだと知らずに読む人もいる、という。ディック・フランシス: 再起
「身体で知り考えたことは強い。それを書け。そして、その世界以外の人も虜にしろ。元騎手の作家、D.フランシスを読んでご覧」とは、ダンス評を書くように私を強く後押しした人の言葉。以来、彼のほぼ全作品を読破。山口 信博: 白の消息―骨壼から北園克衛まで
久しぶりに出会った！と思った本。風雪に晒された骨に美を見る。今、こんな価値観に惹かれているところ。まど・みちお: いわずにおれない
９６歳のまどさんへの聞き書きと作品集。 （１４年２月２８日、１０４歳で永眠されました。）長田弘: 人生の特別な一瞬
０５年３月初版。 「美術館へゆく」に、高島野十郎の蝋燭の炎の絵への言及が。三谷龍二: 木の匙
しぃんと白い漆のそば猪口。木の匙。心地よい暮らし。mitsou: 簡素なくらし
きりりと心を澄ましている暮らしぶり。何度も何度も読み返したくなる本。茨木のり子: おんなのことば
詩人・茨城さんのいくつかの作品集から選抜・編集されたポケットブック。「心の底にしいんと静かな湖を持つ人」に出会える人は、幸せ。
Calvinaさん こんばんは。
このカレー屋さん、もしよかったらお名前を教えて下さい。
最近、渋谷方面にいく用事があり、
時間があったら、食べてみたいです。
うちのつれあいがカレー党で、
彼が作ったカレーをもっぱら食べてるだけの私ですが。
投稿情報: rakkyo | 2008/03/08 19:51
rakkyoさん！
「坂道カレー」の別名は「パク森」と言います。
道玄坂をのぼると、右手になります。
通の間では「たいしたことなし」と、辛口の批評もあるようですが
ひとりでふらりと入れるのは、私には便利です。
（嫌いでなければ）溶けるチーズをプラスして試してください。
※地図はこちら↓↓↓です。
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000927049/P018458/coupon/
投稿情報: calvina | 2008/03/09 11:47
僕は、何日も煮込んだカレーよりも、
出来立てのジャガやニンジンがまだゴロゴロしてて、
ルーもサラっとしているカレーの方が好きです。
辛さも大人になってから気づいたのですが、
甘口の方が好きみたいです。
このこと考えると、
僕にとってカレーって、やっぱり家庭の味だったのかなぁ。
僕のうちは、５人家族だってんで、
ひと晩で無くなってたりしたからなのかなぁ、って思ったりしますね。
投稿情報: あっちゃん | 2008/03/09 16:15
calvinaさん
ありがとうございます。
今度、行って見ますね。
道玄坂の方には行っていないのですが、探してみます。
たのしみ！
投稿情報: rakkyo | 2008/03/09 18:32
あっちゃんさん！
食の好みの源は、やはり幼い頃に口にしたものから、ってことですね？
人参、小さい頃も、そのまま食べられてたんだー。エライッ！
（私は、人参のかたまりを、よけて暮らしてましたー。）
投稿情報: calvina | 2008/03/10 10:08
rakkyoさん！
食べてみたら、感想をまた知らせてくださいねー！
他にも、おいしいお店をご存知だったら、教えていただきたいです。ぜひ。
投稿情報: calvina | 2008/03/10 10:10
違います。小さい頃はニンジン嫌いでも“嫌い！”って言えない我慢っ子だったんです。
もう泣きそうになりながら、出されたものは何でも食べてましたね。
ともだちの家で、食事出されて、お腹いっぱいなのに残しちゃ悪いと思い無理して食べたら、具合悪くなって、そのままともだちの家に布団敷いてもらって寝込んだこともありますよ。
投稿情報: あっちゃん | 2008/03/10 12:02
あっちゃんさん！
ひゃひゃひゃっ。（＾＾）
こんな「告白」が読めるから、ブログはおもしろいんです。
投稿情報: calvina | 2008/03/10 17:21
calvinaさん
おはようございます。
道玄坂のカレーやさんに行って来ました。
あまり食べたことのないカレーでした。
でも、中くらいの辛さで、しかも甘いこくがあって、
カレーって甘いんだ〜と新発見でした。
ラッシーをいっしょに飲みました。
どろりとしたヨーグルト味で、これもカレーにあってますね。
つれあいのお勧めは、上野のデリーの激辛カレーです。
これは恐ろしくて、私は口にしたことがありません。
もっと辛くないやつもあるので、
一度試してみて下さい。
投稿情報: rakkyo | 2008/03/17 07:44
rakkyoさん！
早速、行ってみてくださったんですね。
感想どうもありがとうございます。
そう。ふーっと、「果物か何かを入れてるのかしら」というような
甘い味がすることがありますね。
デリーというお店、ぜひ今度行ってみます。
（今度って・・・いつになるんだろう・・・）
投稿情報: calvina | 2008/03/17 14:18