雑誌「AD」(Architectual Digest Japan)に連載されていた
木についての考察をまとめた本。
日本の木(20種)を、それぞれ呼び名や漢字の考察・検証から
性質、生育状況、建築材や木工材としてどのように用いるのが良いか、
自分と係わりの深い産地や地元の人々とのエピソードなどまで、
がっちりと紹介しています。
檜、欅、松、栃、杉、樟、槙、などなど、
すべて漢字一文字を(種々の呼び名から)選んで
各項のタイトルに設定してあります。
白洲さんの骨太な文章は、その審美眼に敬服している人たちに支持され
ここでも健在、という感じ。
一方で、この人の文章を読むといつも思うのは
「文章の華、芳香、というものは、人物や審美眼そのものへの高評価で
補われ得るものなのか」ということです。
※『木 ~なまえ かたち たくみ~』
白洲正子・著
平凡社ライブラリー
2000年6月初版第一刷 1,200円+税
ISBN:4-582-76343-X
(この本の写真は、当ブログ08年3月7日の項にご紹介しています。)
コメント