10年ほど前、いえ、もっと前でしょうか・・・。
櫻井よしこさんが、「おわら風の盆」(富山県八尾町/9月1~3日)を訪ねて
地元の(彼女が以前から親交をあたためている)人たちと
この祭りをしんみりと味わう、という特別番組を観ました。
じーっと祭りを見つめて涙する櫻井さんは
無防備で自然で、ごく普通の可愛らしい女の人でした。
(あ。でも、宿泊先でも、ずっとあの固まったヘアースタイルでした!)
以来、私の中ではずっと、櫻井さんと「風の盆」が
ひとまとまりのセットになって存在しています。
民間で生き続ける胡弓のデリケートな妖しい音色を
私もいつの日かじかに鑑賞してみたいものです。
http://www.city.toyama.toyama.jp/yatsuo/nourin/owara/
櫻井さんがキャスターとして活躍された頃の颯爽とした姿、
現在、日本の国のあり方を論じている彼女の姿勢や
その論破の方向性は、本来あの人が持っている気質とは
かなりずれているのかもしれない、あれは本人はもちろんのこと、
周囲も皆努力して創りあげた「像」なのかもしれない、と思っています。
「居住まい正し過ぎ」の堅苦しさ、厳しさが表立っていて。
ちょうどこの「風の盆」の時期に、
偶然に、この新書を読むことになりました。
一般的な話になりますが、
新書ばかりがとにかく売れている
世の中だそうです。
言い回しや行換え、中身に至るまで、水増しが多くて。新書は薄味。
時に、笑えてしまうほどひどい時もあります。
でも、そういう類の本のほうが歓迎され、読まれているのです。
(今回読んだこの本への直接の批判ではないので、念のため。)
※『日本人の美徳 誇りある日本人になろう』
櫻井よしこ・著 宝島社新書
08年2月23日第一刷 700円+税
ISBN: 978-4-7966-6120-1