米原万里さんの通訳としての仕事ぶりを、私はまったく知りませんが、
書き残された一般向けの作品を通して、その充実した人生の一部を
たっぷり楽しませてもらっています。
一つの単語、一つの事象、一つの意味を、
ロシア語を含むいくつもの原語や考え方を使って、
同時に多角的に攻略することができ、そこから得た複数の結果を
常に比較しながら、より的確な立ち位置を見出すことができた人でした。
また、食べることにもペットにもサッカーにも熱心な
とてもチャーミングでユーモアあふれる女性でした。
長生きしていただきたかった、と非常に残念に思いますが、
一方では、長さだけでもないのだな、と思えてきます。
これは最後のエッセイ集。
(小雑誌などに掲載されたものを集めてあります。)
友人のアトリエから拝借してきました。
豊かな言葉とは、生きる武器ですね。
※『心臓に毛が生えている理由(わけ)』 米原万里・著
角川学芸出版 2008年4月初版 1600円+税
ISBN:978-4-04-621155-2
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