映画を観ました。 やっとね。
でも、どうも今回は気分がすっきりしません。
今月15日に、この作品が日本で公開された直後、
バスの中で高校生(女子)二人が
ストーリー全部と映画の感想を
大声でしゃべっているのを耳にしてしまったのです。
デリカシーのかけらも無し。
「図書館で推理小説を借り出してきたら、
登場人物の一覧表に、犯人が誰だかわかるように
印を書き入れてあった」というのと同じような気分・・・
本を読むだけで、わざと作品の公式サイトも
何もかもシャットアウトして、映画に集中する、という
私の理想のパターンが、今回は最初から崩れてしまいました。
あ、でも、俳優さんたちをチェックするには
この映画の連作は、とても興味深いと思います。
幼いメインキャストたちが交代せずに成長してゆくのも、
どのキャラクターもどの人も、いろいろ観察するところがあり
飽きません。
もっとおもしろいのは、始めから大人の登場人物です。
もともと芸達者な「怪優」が多いなか、
それぞれの経年変化が、素の部分ではどんな具合なのか、
また、役づくりの部分では、どれだけ計算して演じているのか、
ということを、連作の中で観察できることが楽しみなのです。
ダンブルドア先生を最初に演じたリチャード・ハリス
(Richard St.John Harris)は、2002年に亡くなってしまい、
大変残念。
マクゴナガル先生を演じているマギー・スミス
(Dame Margaret Natalie Smith)は、
「皺がたくさんできるのだったら、この人のようになりたいな」と
いつも思わせてくれる人です。 演技には常に気品があり、
頭の良さがちらちら見えますね。 この人の舞台が観たい!
Dameの称号というのは、やはり「至宝」と認められ、
尊敬を集めている証でもあるでしょうからね。
ただ、『ハリポタ』最新作では、体力が衰えているのか、
元気が無く、動きも鈍く、声に力もありませんでした。
これがとっても心配です。
最新作の題名に使われている言葉、「half-blood」は
邦題では「謎の」という言葉に完全に置き換えられていました
(作品中では「半純血」という言葉が使われています)が
物語全体の鍵の一つになる言葉でもあるようなので、
この訳が本当に最良の選択だったのかどうかについては、
何度も何度も考えさせられるところです。
本当に難しいところだと思います。