夏には、第二次世界大戦関連のテレビ・ドキュメンタリーや
ドラマが、いつもよりも多く放映されますよね。
映画や戦記も、数はそう多くありませんがチェックしています。
書評で知ってから、かなり遅れて手にした本。
ジャワ海で溺れかけている敵(英国海軍)の兵たちを
自艦『雷(いかづち)』へ「招き」上げたリーダー
(工藤俊作氏)と周辺の人たちに関する実話です。
この救助劇は、その後は秘匿されていました。
著者の使っている軍隊用語、海軍や自衛隊のあり方や
平和に関する考え方などについては、私の勉強と知識の不足からか、
いまひとつピンとこない箇所もありました。
あくまで、一人の艦長とその部下が
極限の戦地で何をどう考え、行動したか、という
その一点だけに興味を絞り、まっすぐに読み進んだつもりです。
読み終えたのが、「海の日」になったのは、まったくの偶然。
今夏公開された映画『真夏のオリオン』にも見られるように
極限状態の中で、しかも軍の厳格な規律の中にあっても
人徳を失わずに進もうとした人たちがいた、と知ることは
過去にさかのぼって淡い希望の光を見つけるような作業です。
※ 『海の武士道』 恵隆之介・著 産経新聞出版
1,600円+税 2008年12月8日 第一刷
(蛇足ですが、12月8日は、真珠湾攻撃の日、日本が参戦した日です。)
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