‘堂々とふくよかな’50歳代の女性。
気温35℃。繁華街の焼けた歩道ですれ違いました。
たっぷりと、いかにも涼しそうな麻のパンツをはいています。
「どう考えても、今ちまたで流行っているクロップドパンツは
自分には似合わない」ということを認識したうえで、
まったく別のシルエットを選択されている、ということですね。
パンツの生地は、遠目からでも「麻だな」とわかる色と織り。
やや薄手で、シャリ感もしっかり出ているようでした。
黒い半袖Tシャツは、綿の無地に見えました。
パンツとは逆に、身体に沿うような大変コンパクトなもの。
控えめにドレープが入っていますが、
アシンメトリーなので、「あらー?洗濯したら変形しちゃたかな」
という程度のおもしろい歪みが出ています。
(でも、糸が細くて上等だからこそ出る、計算された歪みです。)
その歪みで、「ぴっちりと張り付いている」という印象が解消され
身体のカーブにうまく添っているのでした。
化繊のチュニックで体型を隠すよりも、ずっとずっと素敵で涼しげでした。
近くからでも遠くからでも、おまけに人ごみの中でも、
小手先だけ洒落て見えるようなアクセサリーなんか全然無くても、
体型に少しばかり問題があっても、
素敵に見える人は、やっぱり素敵に見えます。