トーク・イベント"Inspiration and other stuff" に行ってきました。
現在、福岡市で開催中の展覧会に合わせて、本人がご登場。
トークだけだったら、興味が湧かなかったかもしれません。
「何故、能楽堂を使うことにしたのか」という点に惹かれました。
ある意味で、「まんまと罠にはまった」わけですね。
この頃では、ここは小学校の卒業式に使われたりしていて、
「日本古来の伝統芸能だけのための建物にしていては
あまりにももったいない!」という一般の人たちの気持ち、
それに、管理側のあせりのようなもの(笑)も感じます。
正面席から見える所にスクリーンを置いて、トークに使用するため
見切席がたくさんできて、結果的には能楽堂の6割くらいしか
活用していなかったのでは。 とても贅沢なイベントでした。
さて。 肝心のポール・スミス氏ですが、大変気さくで
おもしろい人でしたよ。 仕事に入ったきっかけや
仕事の考え方、ヒントの見つけ方、世界各国の店の写真などなど。
ファッション・デザインの教育機関で勉強したわけではなく、
奥さんはじめ、クリエイティブな仲間に多く出会って触発され、
その道に進み、時間をかけて実地で学んだ、と。
多くの選択肢の中から、自分や自分の商品を選んでもらうためには
何をすべきか? 差別化を図るには? 自分の個性とは?
この点を常に注意深く考えてきた人かな。 それと、アンテナ磨き。
プレゼンテーションも巧いし、広告塔としてもおもしろいです。
"You can't do it, if you don't do it."
「本当にやりたいことがあるのなら、やり方はいろいろあるはず。
まず踏み出してみなくては始まらない。
自分だって、最初は、月~木まで食べるための仕事をしながら
金と土だけ店をやっていたんだよ。」てな具合の気取らない話でした。
80年代半ばに、ロンドンで覗いた小さな小さな店、
今でも憶えています。 アンティークの家具調度や斬新なウィンドウ。
最後に・・・
普通ならば、「質疑応答」に移るところ、
「みんな、写真撮りたいだろ? こっちに来て」と
舞台から降りてきて、写真を撮らせて、それで散会。
彼らしいですね。 くだらない質問を少し受けるよりは、
みんながインターネットででも自分の写真を広告として配信するほうが
ずっと効果的である、ということなのでしょう。 ビジネスマンとしてもスゴイ。
明日は、ロスの店へ移動、だそうです。
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