久しぶりに一日がかりで、バレエの発表会を観に遠出しました。
学校が夏休みの間は、発表会は目白押しです。
以前から気になっていた男性ダンサー(プロ)のTさんが、ゲストとして招かれていて、
初めて実際にステージ上で演技している彼を観ることができました。
クラシック音楽やバレエの場合、作品を知っていれば
「次がどう展開するのか」ということがあらかじめわかっています。
私の場合も、「この先、ここがこう展開して、こういう形に、こういうタイミングで
ぴったりはまることができたら、たいそう素敵だろうな」という予測、
というか、期待が常にあるわけです。
(ここで言う「形」とは、身体の角度、目線、腕や足のちょっとした角度、表情、
動きの微妙なタイミングなどなど、多くのチェック・ポイントをすべて含んだ「形」です。)
Tさん、この私のツボを、ぴたり、ぴたりと、ほぼ完璧にクリアして見せてくれました。
こんな心地良さって、久しぶり・・・。
素顔は地味な印象。 踊りのほうも、器用で華やかなタイプではありません。
こつこつと「ぴったりとはまるピースを削りだす職人」のように稽古を重ねるタイプ。
(おそらくね。)
芸に限らず、仕事でも他人とのお付き合いでも、「相手が期待しているピースを
提供できるかどうか」というのは、人の存在価値に大きく係わる問題でしょうね。
意識的にそう作るもの、無意識にできるものなど、経緯はいろいろあるのでしょうが。
また、ぴったりのピースでも、より魅力的な色艶のものや素材があるかもしれないので
「ぴったりと思ったが、もっと良いものがあった!」という進展があるはず。
これも楽しみ。
(天才肌で「一般人たちが期待しているピースを裏切る形で、充実しているものを出す」
ことができる例は、また‘別の話’、ということで。)
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