日本で「正当、あるいは正統である」とされている
指揮者の養成法に基づいた教育を受けずに、
いきなり故・バーンスタインや小沢征爾に見出され、
独自の歩みを進める佐渡裕(さど・ゆたか)さん。
『題名のない音楽会』でもおなじみの、あの‘大柄な’おじちゃんですね。
音楽大学の指揮科を卒業していなくたって、指揮者になれる!なんて
今でも頭のかたい多くの日本人は、知らないんじゃないでしょうか。
現在50歳ですが、この人が15年前に書いた本が、昨秋、新潮文庫に入りました。
『僕はいかにして指揮者になったのか』(通称『僕いか』!)です。
「音楽はオモロイでー」と「屋台を引っ張るように」(本人がそう書いています)
世界を巡って仕事をしている人。
今年は5月にベルリン・フィルを振る、ということで、
ますますマスコミも注目することでしょう。
巨匠・バーンスタインも、佐渡さんの本の中では京都弁(関西弁?)でしゃべります。
そのバーンスタインの命が尽きる直前の約3年間が、佐渡さんに与えられた
巨匠との蜜月修行期でした。
「短かったとは思わない。もらったものは自分を通して今も育っているから」という
そのきっぱりした姿勢が、ある意味心地良いと思いました。
巨匠が残した「Life can be beautiful(ライフ・キャン・ビー・ビューティフル)や!」
という言葉を、佐渡さんは自分の仕事を通して今も発進し続けているのでしょう。
技法で読ませる本ではありません。
佐渡さんの人生に起こった数々のエピソードや音楽に対する姿勢そのものを
文庫に入ったこの機会にぜひ一気に読んでいただきたい、
そして、たくさん笑って泣いて、(佐渡さんも願っているように)
音楽会の切符を買って、実際に足をお運びいただきたいと
私も願っています。 (直接の関係者じゃありませんが。)
私は・・・3月初旬、広島で予定されている、佐渡裕さんと辻井伸行さんの
共演を聴く機会を狙っていたのですが・・・自分の予定が定まる前に
とっくにチケットは完売したようです・・・。(やれやれ)
余談ですが、チケット発売日や予約の開始日が非常に早いと、
どうしても欲しいものは「とにかく購入しておいて、駄目なら譲る」という風に
無駄が出てしまうし、その金額があまりにも高いと最初から足踏みしてしまう
ので、これはなんとかしてもらいたいなあ、といつも思います。
(この問題については、またゆっくり別の機会にでも。)
※ 佐渡裕さんの公式サイトはこちら↓↓↓から
http://www.maido39.net/youyouyou/
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