邦題 : 『442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍』。
2010年11月に公開されました。
が、私は最近になって、特別上映会で観ました。
第二次大戦が勃発する前から蔑視されることも多く、いざ開戦となると
強制的に収容所に入れられた日系アメリカ人と、ハワイ出身の
日系アメリカ人たちのうち、アメリカ合衆国に忠誠を誓って
入隊した若者たち(二世)で編成された部隊です。
イタリア、フランス、ドイツで勇敢に戦い、数多くの犠牲者と
英雄視される者とを生みました。
ドイツ南部のダッハウ強制収容所をこの部隊が解放していた、という
エピソードは、長く隠されていたようで、私はこの作品で知りました。
生き残った人たちの証言を集めて編まれたこの作品は、当事者たちが
既に80歳半ば~90歳になっておられるため、これが最初で最後の機会
になるだろうと言われています。
日系二世、三世、四世の人たちと、少しだけですが接点がありますので、
私にとっては、どうしても見逃せない映画でした。
折り目ただしさ、忍耐強さ、そして、「恥」の美学。
アメリカに忠誠を誓っても、一世たちが残そうとしたスピリットは生きています。
作品の副題は、「- Live with Honor, Die with Dignity -」となっています。
「名誉をもって生きよ、そして尊厳をもって死ね」という意味でしょうか。
戦争を知らない私のような者には、訳すのが恐れ多い、難しい言葉です。
「(表彰なんかされても)私は、ヒーローなんかじゃない」と、
戦争のために命を失った多くの兵士(仲間も、相手方も)が、
家族の元に、そして故郷に、帰ることができなかった、
そのことに心を痛めて涙ながらに話す証言者の様子が
残像のように自分の心に刻まれました。
観客はひどくまばらで、やはり戦争を身をもって体験している
年代の男性がほとんどでした。
こんなにまばらで良いのだろうか、と、考え込んでしまいます。
同じ題材で映画化の噂も聞きますが、もし完成したとしたら、
こちらのドキュメンタリーにも同時にもう一度注目が集まることを期待します。
※ 映画 『442』 公式サイトはこちら↓↓↓から
http://www.442film.com/