イタリア系の気になる服のブランドが、最寄のデパートの閉店を機に
近場での移転を繰り返したあげくに消えてしまってから随分時間が経っていました。
もともと、生地も仕立ても上等なので、どちらかと言えば「観賞・偵察用」。
私のような者のお財布に優しいわけがありませんでした。
先日、隣りの市に出かけた際に、約束の時刻まで少し余裕があったため、
慣れないデパートのカフェに入ってアイスコーヒーを飲みました。
思いっきり涼んでからエスカレーターで降りていると・・・
(忘れかかっていた)このブランドの店を発見。
中を覗くと、なんと昔の店長さんが、トレードマークの「白いシャツ、黒いパンツ姿」で
働いておられるではありませんか。
そして、「・・・あら・・・? この街ではなくて、たしか●●市のお客さまでしたよね?」と
声をかけてくださいました。 さすがプロですね。
平凡な顔の常連でもないヒヤカシ系の客を憶えているなんて。
一時よりは日本国内の店舗数は減っているようですが、
ずっと頑張ってこられた様子を少し聞かせてもらいました。
経済がふるわないなか、上等な服を大切に何年も着る、という行為そのものが
破壊され、あるいは、財力を持った一部の層だけのものになってしまっています。
私はどうしたいか、と自分に問うてみれば、
「1シーズンだけお洒落に見えたらそれでいい。 飽きたり傷んだりしたらすぐに捨てる」
という衣生活には魅力をまったく感じません。
一方、「良いな」と思うものは、以前よりももっと手が届かなくなりつつある気がします。
気のせいではないと思うのですが、どうでしょう。
先日、耳にした(知人の)エピソードを少々。
好きだった夏のワンピースを(ひどく痩せたため)近所のお直しに出したら、
けっこう高い料金を取られました。 それでも出来上がりが気にいらず、
今度はデパートのリフォームコーナーへ持って行くはめになったそうです。
やっと満足する出来栄えに仕上がった時には、新しい上等のワンピースが
一着買えるくらいの料金を支払っていたそうです。
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