有名な弔辞や近年話題になった弔辞(50人分)を収録。
タモリさんが読んだ「あの」赤塚不二夫さんの弔辞がトリ。
どこからでも読めますが、私には
ボリュームの点でやや物足りませんでした。
新書だから、しかたないのかもなぁ・・・・。
「あれ。 この有名人、こんなに若いお年で亡くなっていたとは」と
いう例が、中にたくさん出てきました。
「太く」生きられたぶん、印象が強く残っているのかもしれません。
学生の頃、物理関係の新書を、1年間の教科書に指定した
理数系の教授がおられました。
短い文章を噛みしめるように学生に読ませて、その後で
物理というよりも、哲学のような子守唄のような講義をなさるのでした。
その主な理由はたぶん「まあ、文系の人間にはこの程度までだろ」という
ことだったのでしょうが、授業の内容は記憶に深く刻まれています。
この『弔辞』の前に何冊かチェックした新書の新刊本は、
どれも文章量が非常に少なく、行間が文字通り広く、
「長く読み継がれて生き残る」にはちと難しいか、というものばかりでした。
読み捨て・読み流しで、生鮮食料品のように消えていく本は哀しいです。
ネット上で生まれ、ヒットして、長く生き残る本、というのは、
いったいどんな作品になるのか、と想像しています。
※ 『弔辞 劇的な人生を送る言葉』
文春新書 2011年7月初版
788円(税込)
ISBN-13: 978-4166608157
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