『繕い裁つ人』の作者・池辺葵さんの別作品 『サウダーデ』。
主人公が切り盛りする小さな町の喫茶店の名前です。
ポルトガル語、ガリシア語で孤独、郷愁、 憧憬、思慕、
切なさ、望郷などの意味を表す語彙なのだとか。
日本語と異なる言語ですから、ぴったりはまる唯一の
語彙が無いのかも・・・。 でも、頭の奥に刻みやすい響き。
ついに2巻目が出ました。
(納得のニュアンスの)
赤を巧く使ったカバー。
両作に共通の登場人物が複数存在するのですよね・・・
これって、構成段階から意図的に別タイトルの別作品として
刊行しようと計画されていたのでしょうか・・・。
一つのまとまったストーリーとして、一つのタイトルで出すことも
できそうな気がしますが、それをあえて二つに分けておいて
共鳴させながらその世界観を膨らませてゆく、という手法を
わざわざとったとしたら・・・。 それとも、単になりゆきで・・・?
その点に一番興味をそそられるかな。
この2作品には、一人で自分の仕事、自分の居場所を見つけて
まっとうに、静かに、自分の人生を歩こうとする女性が幾人も
出てきて、彼女たちの心の中をあれこれ想像する楽しみが。
また、『みをつくし料理帖』の作者、高田郁さん同様に
そうとう料理のデキル方、‘食’に関心の高い方だとお見受けします。
(あぁ!『繕い裁つ人』のほうでは裁縫、『サウダーデ』では料理・・・。
どちらの達人・目利きでもあるとしたら、池辺さん、スゴスギデス。)
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