ドイツ・オーストリア合作のドキュメンタリー映画。
腕利きのピアノ調律師(在ウィーン)、
シュテファンさんの仕事を1年間追った記録。
ピアノって、コンピューターがハナタレ小僧に見えるくらい精密なメカだったのね。
(と言ったら、コンピューター関係者に怒られてしまいそうですが。)
まったく単純な1つのキーだけで多彩なニュアンスを生むこともできるなんて!
ただそれだけじゃ終わりませんでした。
人間の肉体と精神そのものが、この上なく精密なメカであり、
それをもってピアノというメカをいかに制御しているのか、
ということを見せてもらったような気がしました。
有名なピアニストたちのリハーサルや
劇場内の裏方たちの様子も覗くことができます。
ここまで音が聞こえる(聞き分けられる)日常って・・・
幸せなんだかそうでないんだか、よくわかりません。
このレベルはこのレベルで、仲間がちゃあんといて
理解しあえるのかもしれませんが、どうなんでしょうか。
まあ、本人にとってはこれが最初っから普通の生活で
他は知らないわけですし、難しい要求がくればくるほど
生き生き仕事をしているように見えるところも、なきにしもあらず・・・。
「マニアックだ」と「オタクだ」というのとは
どこがどう違うんだろう・・・それとも同じ?・・・と、
これを見ながらぼんやりと頭の隅のほうで考えていました。
ところで、作品中でフラッシュ的に紹介される街中の風景や
自然のモチーフは、本作に何故必要だったのでしょうかね。
もう一つ、鑑賞中に頭をよぎったことがあります。
それは、震災のがれきの中から拾われ、修復されたピアノ。
部品を一点一点洗い、磨き、さらに足りないところを補い、
その修復をついに実現させた職人さんの信念と仕事のことでした。
埃がたった一つ入っただけでも狂いをきたす楽器だということを
再認識する時、この修復については言葉が見つかりません。
※ 『ピアノマニア』 公式サイトはこちら↓↓↓から
http://www.piano-mania.com/
ピアノを習っているお子さんと親のための割引や
音楽学校生のための割引を設けている会場も。
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