もう少し早くご紹介するつもりだった本です。
福島に普通に住んでいた人たちのインタビュー集。
普通の人生がどう変わったか、何を思うのかを、
インタビューしたその時のまま文字に残そうとしたもの。
インタビュアーは複数人ですが、気にはならないかな。
装丁もそうであるように、「淡々と」、しかし「熱く」、
共に考え、耳を傾け、語り合い続けようとする姿勢。
読んでいる側も、そのような姿勢で福島を共有できてているのかどうか。
そこのところを問われているような気がしました。
ダメージが広く深いために、人々のあげる声が
あちらこちらで散発に終わってしまうと、
大きなうねりにまで到達しないのでは、という危惧があります。
‘民’レベルから湧く素朴な疑問や怒りを、大きなうねりにまでまとめ、
さらにそれを育て上げてゆく、という長いスパンを見据えた作業を、
私たちはずっと苦手にしてきました。 苦手のままで済むのかなぁ。
お近くの図書館にもぜひリクエストしてください。
※ 『@Fukushima』 高田昌幸・編 産学社
2011年12月初版 1,700円+税
ISBN978-4-7825-7101-9 C0030
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