「知らない場所に、一人でぽつんといて、どこまでもどこまでも
さまよい歩いているんだ。
そこがどこだか、日本なのか、外国なのかもわからないの。
自分が何者なのかも、ぜんぜんわからないの。
ものすごく空っぽの感じがするような、怖ろしい感じ。 わかる?
でね、旅行用のボストンバッグを提げているんだけど、
はっと気づくと、そのバッグも空っぽだったんだよね。
もう怖くて怖くて・・・ 目が覚めて、夢だとわかってホッとしたよ。
だけどね、今でも思い出しては、怖がってんのよ」
その人が、そういう病気に実際にかかってしまうことを、
心のどこかで心配しているから、そういう夢を見たのか、
あるいは、そういう病気を抱えている知人がおられるから
そのことを考えていたからなのか、はたまた別の理由があるのか、
それは私にはわかりませんが、聞いているだけでも怖いな、と。
そして、話をしているその人に、かける言葉がまったく見つかりませんでした。
今でも、ぜんぜん見つかりません。
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