今夏、元ホテルオークラ総料理長が出された本。
ですけれど、部外者にもわかりやすい
「オークラ50年史」としてもさらさらっと読めます。
小説からTVドラマになった『天皇の料理番』(杉森久英さん)や、
帝国ホテルの大看板となった村上信夫さんの後の世代では、
シェフやパティシエの社会における仕事のやり方、立ち居地や評価のしかた、
世の中のありようや客の性質まで変わっているのかもしれませんが、
時を経ても、厳しい現場、厳しい世界であることは同じでしょう。 運も健康も不可欠。
人が生きることに欠かせない「食」を職業にする、ということはどういうことなのか、
日本人が構築してきた、日本における一流ホテルのサービスとは何かを、
改めて考えさせられ、そこも楽しみました。
ただ・・・個人的にはもっとレシピのことなんかも詳しく読みたかったな。
※ 『ホテルオークラ総料理長の美食帖』 根岸規雄・著
新潮新書 756円(税込) 2012年8月初版
ISBN: 978-4-10-610484-8
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