奈良・興福寺の国宝、銅造仏頭が
都内で展示されています。
15世紀に落雷による火災で崩れ落ち、
500年も行方不明になっていました。
新しい薬師如来像がよそから移され本尊とされた際に
この仏頭はその台座の中にしまい込まれていました。
1937(昭和12)年のお堂の解体修理でひょっこり日の目を見ることに。
頭頂部も、後頭部も、片耳も、首から下もすべて失われ、
残された顔にも傷や歪みがありますが、ここまで破損しているにもかかわらず、
その美しさや気高さは少しも損なわれず、国宝指定を受けています。
このように顔(のみ)が美しいまま長年残され、今私たちの前に
姿を現している意味を、あれこれ考えずにはいられません。
向かって左寄り(仏さまの右頬側)から拝見する微笑みのほうが、
さらに優しげに見える気がしました。 優しげ、と言っても、
実は顔の高さだけで約1mもあり、力強さも感じさせるのですが。
従者たち(木造の十二神将)と一緒に展示されるのは、実に600年ぶりです。
夜な夜な主従皆で集い、‘つもる話’で盛り上がっているのかもしれません。
阿修羅像が飛び抜けて有名ですが、他のお宝もていねいに観たいもんです。
特に、貴公子系は大歓迎。
※ 興福寺創建1300年記念 『国宝 興福寺仏頭展』
とき・2013年9月3日(火)~11月24日(日)
ところ・東京藝術大学大学美術館 (上野)
公式サイト↓↓↓には英語のページも有り。
http://butto.exhn.jp/index.html
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