「勧善懲悪」という言葉(や概念)について、つらつら考えています。
単純なものから、ややこしいものまで、バリエーションがあるのかな、などと。
本当の人生には割り切れないものがたくさんあって、
勧善懲悪なんて小説やドラマの中でしか存在しない、と半ば絶望している、
その裏返しとして求めている幻のようなものなのかもしれないし、
生きているうちに現実としてそれに立ち会う人もいるのかもしれません。
「お前はどうなんだ。 その存在を信じることができ、正義を心がけて
生きていけるのか」という問いを向けられること自体に、人は叱咤され
前に進むことができるのかなあ、なんて。
江戸時代を舞台にした小説の中に、こんな言葉を見つけました。
「闇の中にも、時折は正義の光が射さねば、これといった贅沢もせずに、
ただただ、まっとうに働いて、命を終わらせて悔いることのない、
多くの者たちの心意気にそむくことになる・・・」
※ 『秋はまぐり』 (料理人季蔵捕物控(17))和田はつ子・著
ハルキ文庫 590円+税
ISBN978-4-7584-3687-8
このシリーズには、料理がたくさん出てくるのですが、
分量の記載が無いぶん、自由に想像できる範囲が広がり楽しいのです。
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