映画『大いなる沈黙へ』(原題:"DIE GROSSE STILLE"
原題英訳"INTO GREAT SILENCE")、ついに日本で公開。
2009年に発表され、既に数々の賞をとっている作品です。
最初の取材申し込みから16年後、いきなり許可がおり、
監督一人だけがカメラを持って戒律の厳しい修道院の内部へ。
「効果」を狙った演出はすっかり排除されています。つまり、
音楽も付け足されていません。修道士同士の会話も週に一度しか
許可されていない環境で、ひたすら神との対話と祈りの日々。
水の滴り落ちる音や、日常生活で自然に生じる音、自然が生む音、
礼拝の際の唱和くらいしか聞こえてきません。
ただただ静謐な日々の暮らしが淡々と記録されています。
私は、この映画の紹介写真を一目見た時、
「あれ? フェルメールの作品に
こんなのあったかなぁ」と思いました。
構図や光の具合まで似ているような気がした
からです。
院内の光の具合が、どこを切り取っても香り立つように
美しく見えることを、この自分の今の生活環境と
対比して考えずにはおれませんでした。
しばらくの時をおいて、また観たい作品だと思いました。
観ていると、考えたいことが次々に浮かんでくるからです。
それは、宗教というよりも、価値観の模索、瞑想に近いものです。
宗教、宗派にはさまざまな考え方があり、この映画の手法にも
賛否両論あることとは思いますし、3時間近い上映時間も
これが正解なのかどうかわかりませんが、私の中には強く残りました。
※ 映画 『大いなる沈黙へ-グランド・シャルトルーズ修道院』
公式サイトはこちら↓↓↓から。 まずはここだけでも。
http://www.ooinaru-chinmoku.jp/index.html
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