今月7日、パリで起こった銃撃テロ事件からまもなく、
大規模なデモの様子が報道されました。
日頃は仲が良いとは言えない国々の代表も加わり、
民衆の前に一列に並んで歩みを進める様子を見ていると、
「自由」を掲げて何度も人々が戦ったフランスのこれまでの歴史を
思い起こさずにはいられませんでした。
現在では、それぞれの国の事情や思惑があるからこそ、ここまで迅速に
このような行動が実現したのだろう、とも想像するのではありますが。
まったく偶然に、今月号の『文藝春秋』
(二月新春号)「名画が語る西洋史」に、
ウジェーヌ・ドラクロアの『民衆を導く
自由の女神』(1830年、パリ・ルーヴル
美術館蔵)が紹介されています。
なんとタイムリーな!
今もなお、自由の化身は民衆の心の中に生き続けている、と
実感すると同時に、日本では、万が一危機的な状況が迫っても、
この危機感の共有や闘う姿勢の盛り上がりが見られないままに、
何か大切なものが崩壊してしまうのではないだろうか、
という不安も拭えません。
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