ラフ・シモンズ。
彼がこれまでに発表してきた服、
特に、メンズのコレクションを振り返る時、
正直、「ディオールを背負う」ということとは
まったく結びつきませんでした。
ブランド関係者の中にも驚いた人が
数多くおられたようです。
「自分はミニマルなものだけをやるデザイナーではない」と
本人はさらりと説明し、転身を「チャレンジ」と呼びました。
牙城に入ってから、最初のコレクション発表までの8週間を
克明に追ったドキュメンタリー映画です。 たったの8週間!
撮られるのが大嫌いなラフが、この難しい時期に
どうしてカメラの張り付きを許可したのか、とっても不思議。
締め切りに追い込まれてゆくクリエーターの仕事として観れば、
他のジャンルとの共通項も多く見つかるので、ファッションに
直接関係ないという人たちにもチェックしていただきたいです。
本当の主人公は、見習いで入って以来長年このメゾンで
誇りを持って仕事を続けている人たちかもしれません。
ハイヒールを履いて足踏みミシンを操るなんて当たり前!
おばちゃんばかりではなく、哲学者みたいな男性もいます。
‘片腕’ピーターさんの恰好良さ(頭や勘の良さも含めて)も
見逃せませんぞ! この人無しにラフの仕事は成立しません!
ディオール氏自身のモノクロ記録画像や縁のお屋敷などの紹介も
織り交ぜられていて、DVDで何度も観て細部を確認したいなあ、
と、久しぶりに思わせてくれた映画でもありました。
蘭やバラなど豪華な花に埋め尽くされた館を使用しての
デビュー・コレクションは圧巻でしたが、その先
ラフが、このブランドで何を見せてくれるかな、
と期待を誘う内容でもあったと思います。
※ 映画 『ディオールと私』 公式サイトはこちら↓↓↓から
http://dior-and-i.com/
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