Just one week ago, we have lost a Japanese legendary ballerina,
Momoko Tani. And, today, we were informed of Maya Plisetskaya's death.
4月26日、日本のクラシック・バレエ界を
長年牽引してきた谷桃子さんが世を去り、
全盛期を知らない(つまり、指導者としての
お姿にしか生で接したことがない)私でも、
いろいろと思い出して 胸が詰まっていた
ところに、プリセツカヤさんの訃報が・・・。
プリセツカヤさんのほうは、晩年の来日公演の
際に、変わらない美貌、エレガントな
たたずまい、筋肉のきちんと張った身体の
ラインを目の当たりにして、
(失礼な良い方かもしれませんが)
「お金がとれる舞台人」を長い間続けておられることの奇跡的な実現を
胸元に突きつけられた感がありました。
さらに、80歳を迎えてもなお、舞台上のすべてを制圧してしまうような
迫力を持続しておられる映像も、感動よりもショックに近いものでした。
「彼女を観て憧れてこの道に」という者よりも「絶望して追うのを止める」
という卵のほうが多かったのではないか、と私は考えています。
自伝『闘う白鳥』(1996年、文藝春秋社)も、多くの人に再読される
ことでしょう。
谷さん94歳、プリセツカヤさん89歳でした。
素のままで浮世離れした美形は終生変わらず、
長寿であったところも似ています。
「クラシックバレエ界」の定義とその境界も、日々変化しているようで
古典中の古典だけをカバーし珍重するダンサーも観客も、もはや
そのまま生き残るのは難しいのかもしれませんが、巨星たちの偉業は
次の世代を担う者たちにも有形無形の基礎として溶け込んでいます。
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