しばらく前のことになりますが、ピアノリサイタルを聴きに
出かけました。 久しぶりに。
権威あるショパン・コンクールで、10代で優勝したYさん。
中国出身。香港在住。日本のアイドルに似た容姿も手伝って、
日本にもファンがとても多い人です。
(と、ここまで書いたら誰だかわかりますね、きっと。)
ミスタッチが多く、指が絡まるのか、まるでロレツが回らないような
演奏が続き、私はもう途中から、演奏よりも「この人の人生、優勝後に
いったい何があったのかな」「本人、この仕事をどう考えているのかな」
何より素朴な疑問として「充分に練習しているのかな」ということの
ほうに気を取られ、客席で固まりきっていたのでした。
帰宅後にインターネットで検索してみると、ピアノ・コンツェルトの
本番中に、間違いが修正できないほどひどくなり、演奏を中断して
最初からやり直した、とか、プログラムの順番を当日になって
入れ替えることが複数回ある、とか、コンクール審査員に選ばれたのに
欠席したとか、妙な言動が続いていることを知りました。
本当なら、チケット手配の前に‘予習’をして購入を決めるべきだった
のかもしれません。
ただ、今回は、「早くから才能を世に認められ、スター扱いされて、
この人の人生、幸せなのかな、これからどうなるのかな」
「日本では、納得いかない演奏の際に、席を途中で立って帰る人が
ほとんどいないのは何故だろう。 礼儀正しく温かい拍手、というのも、
ある意味で罪作りなのでは」などと久々に考え込む機会としては
悪くなかったのかな、と思いました。
オール・ショパン・プログラムで納得いく演奏会には、
このところなかなかご縁がありません。
評判が良いとチケットがさっさと完売してしまうこともあって。
録音(CD)じゃぁ修正ができるからつまんないんですよね。
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