電車で斜め向かいに座っていた女性。おそらく70歳半ば。
白っぽいキャップを被りなおしておられたので、ぼんやりと
考え事をしていた私でも、その動きに目がとまったのでした。
キャップの下からチラと見えた髪が、驚きの緑色。
日本の小さい人が使うクレヨンセットに入っているような、
はっきりとした強い緑色でした。
腿の真ん中辺りまで覆う丈のニットのサマーセーターは
ピンポン玉大のカラフルな色の水玉で覆われています。
パンツは黒の無地。 やや太めの、膝の曲がるところに
タックが寄せてある既製品を、膝下丈にご自分で詰めておられた
ようでした。 どこにも売っていない不思議なシルエットです。
くるぶし丈(短め)のソックスは、赤地に白、十円玉大の水玉。
パンツの丈が短めなので、素足が少し見えて軽快な印象。
そして、ごくシンプルなスポーツ系ブランドのスニーカー。
膝の上に置いておられるバッグは、おそらく大きめのリュック
ではなかったでしょうか。
街中を闊歩しておられる姿を想像しながら、一足お先に
電車を降りました。
キャップの下の髪の色は、もしかすると緑一色ではなかった
かもしれない、もっとカラフルだったかもしれない・・・と
今になって想像を膨らませています。
化粧もきちんとしておられました。
印象が長く残り、想像をさらにかきたてるようなおしゃれ
というのは、アート作品でも同様ですが、この国では
一般にはモノにしている人がとても少ないな、と思います。
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