北欧に関心ある皆さん、
この映画をご覧になったでしょうか?
「美しい愛を描いた作品」だと
言われることが多いようですが・・・
私はね、話の行方よりも、北欧・ノルウェーの夏の
どこまでも美しい自然が、映像の中にしっかり盛り込まれて
いるところにこそ、心を奪われました。
草木が風になびくと、その香りがこちらまで届くような、
そしてそれが心の奥に沁みていくような、そんな映像でした。
原作を書いたハムスンの生涯については、この文庫版
(きっかり一年前の今日、刊行されました)の末尾に、
訳者の冨原眞弓さんによる詳しい解説があります。
そう、あのムーミンの翻訳や分析でおなじみの方ですね。
特に、ハムスンが成人前に苦しい境遇にあったことや、
第二次世界大戦時の彼の言動や思想に問題があったことなどは、
心に留めておかなくては片手落ちになるんだなあと思ったのでした。
※ 『ヴィクトリア』
クヌート・ハムスン・著 冨原眞弓・訳
岩波文庫 2015年8月18日初版
ISBN978-4-00-327441-5
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