2014年に公開されたオーストリアの映画。
ウィーンの美術史美術館の内部を、様々な
スタッフが支えている様子を淡々と写し、
音楽も過度な演出も廃してはぎ合せたもの。
類似作品の中でも肩の力が抜けていて良い感じ。
ハプスブルグ家のお宝だけでもこんなに豊富に管理されている!
という事実に圧倒されます。
建物も絵画や彫刻だらけでお宝そのものなのですが。
新しい展示会の準備をする一人の男性の姿が心に残りました。
銀食器など金属の器を、大きなひな壇のようなもの(4段)に
一人静かに並べているだけなのですが、白い手袋をはめた指が
繊細に繊細に、器類をほんの少しだけ動かしてゆきます。
「しばらく並べては、少し退いて全体を眺め、考える」の繰り返し。
既に並べるアイテムは決められており、それら一点一点がお客様にきちんと
鑑賞しやすく、しかも最も魅力的に見えるように置かれているか、
さらには、全体の調和を成しているかどうかを、何度も何度も考えている
その様子は、何故だか見飽きないのでした。
「これは、編集? それとも創作・表現の一部?」と考えたりしました。
いつの日か、訪ねてみたいところが、また一つ増えました。
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