漆の椀。本当は入れ子です。
京都で見つけたデッドストックで
高価なものではなかったのですが、
内側の底にヒビが入って悪化し始め
たので、11月に修理に出しました。
入れ子のうちの一つだけを修理するとなると、
他と色やたたずまいを揃えることが難しいので
受けてはもらえないようなのですが、私の場合は、この一つばかり
しょっちゅう使うため、これだけを修理しても問題なかったのでした。
預けてちょうど半年経った頃に電話で様子を尋ねると、
「もうちょっとで返せる」というお話でした。
楽しみにしていると、7カ月で戻ってきました。
これは早いほうだそうです。
「わー、うれしい、きれいになったら一回り大きく見えますね。
今晩から使います!」という私に、お店の男性は次のようにコメント。
「今晩からですか・・・ それはちょっと・・・えーっとね、
この漆は未だ「これからどんな具合に定着しようかな」と
落ち着きどころを決めかねているような状態なんですよ。
生き物ですからね。 だから、理想を言わせてもらえば、
お手元であと半年くらい使わずにこのままそーっと置いて
もらいたいのです。 ま、半年が難しいということだったら
せめて2、3ヶ月はお待ちいただけませんか。
結局は、そのほうが、強くなるし、お得なのですよ」と。
「それからね、今後、何かまた別のお椀などで問題が起きたら・・・
例えば、ヒビが入ったとしたら、水が中に沁み込まないように
すぐに持ってきてください。 そのほうが、修理が難しくならずに
結局は安上りになりますから」と。 なるほどね。
まずは静かに眺めるくらいにして、気長に待ちましょう。
いいお話ですね。心にひびが入ったときも、しばらくそーっとしておくといいのですね。
投稿情報: konomi | 2017/06/17 14:06
konomiさん!
「心にひび」・・・。そう、本当に。そーっと、です。
投稿情報: Calvina | 2017/06/17 14:48