もうシリーズも5巻目。終わりが近いのね。
「朝びらき丸」(瀬田訳)は
「ドーン・トレッダー号」(土屋訳)
に生まれ変わりました。でも「朝びらき丸」
という名は、私には今も香しいものです。
土屋訳では、瀬田訳に無かった文章がチラリホラリ・・・。
細かいところを気にしながら読むのは楽しみです。
子供向けに書かれたものだから比較が難しくならないのは
まあ、メリット、と言えるでしょうか。
先日、まったくナルニアとは別の件なのですが、
英語の訳を読ませていただいていて思ったことがありました。
それは、まず、どれだけ誠実に手間をかけて文字を追い、
言葉を吟味しているか、ということ。
スピードが重んじられる仕事も多い世の中ですから
それに引っ張られた跡が見える仕事も案外多いと思います。
そうしないと、仕事として受けるメリットがゼロあるいは
ゼロ以下になってしまう、ということでしょうか。
明らかに翻訳ソフトで検索した文章をコピペしただけ、
しかも、コピーの箇所がずれている、という例を
プロが納品した仕事の中に見つけたこともありました。
ソフトの性能アップによって、粗い仕事もその見逃しも
増えているのかもしれません。
次に、翻訳する文章にも「品」や「華」や「艶」が出る、
ひいては「人そのもの」が出る、ということ。
正確でていねいでも華が微塵も無いこともありうるわけで。
興味深く、怖ろしいこと。また、時に哀しいこと。
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