「1956年生まれなら、思っていたよりも若いな」
というのが、あらためて経歴を確認した感想。
世界を飛び回り、自分ではほとんど料理を
しない、というのですから、もはや「料理人」と
呼ぶよりも「食を通して仕事をする人」ですか。
ディレクターやコーディネーターに近いのかもしれないけれど、
れっきとした一流ブランドホルダーでもあり続けているのが
他の人と異なるところ。 「人と異なるものでないと成功しないし
長続きしない」というのが持論の一つ。いやはや。
2年も密着して完成させたドキュメンタリー映画だそうですが、
その前に本人を説得するのに1年を要したとかで、きっと
これこそが、この映画を素敵なものにしている土台ですね。
「日本が大好き」で来日頻度も高く、NHK『あさイチ』
(なんと、珍しく自分で料理、それもオムレツを作りました!)
や、京都の天ぷら屋さん、全国のデパートにも入っているような
普通のケーキ屋さんの商品にも、次々に興味と尊敬を示す人。
(個人的には・・・誰か近しい方に、デュカスさんに、綺麗な
お箸の使い方を教えてあげて欲しいな、と思ったのでしたよ!)
彼にしかできないかたちの慈善活動にも熱心に取り組んでいます。
それも、世界各地で。
食の仕事に係わっていなかったとしても、彼は何かできっと
成功したであろうというパワーに満ちていて、「形が残らなくても、
人の心の中に何やらとても美しく、幸せな思い出として長く残るもの」
を生んで私たちを魅了したのだろうな、と思いました。
着飾って美食を楽しむことが日常とはほど遠い私たちにも、
何かジンとくるものがある美しい映画です。
邦題は、ヴェルサイユ宮殿内に新たにオープンしたレストランの
準備段階からの記録にもなっていることから付けられたのでしょうが、
それだけの作品だと受け取られるのは違うかな、とも思います。
※ 映画 『アラン・デュカス 宮廷のレストラン』
公式サイトはこちらから。
特にサイト内の「プロダクション・ノート」(PRODUCTION NOTE)は
読みごたえがあり興味深いので、ぜひお読みください。
(本ブログ記事冒頭の写真は、公式サイトからお借りしました。)
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