太田哲雄シェフが講談社の月刊PR誌
『IN★POCKET』に、まるで‘食の冒険譚’
としか思えない内容の連載をしておられた
時から気にしていた内容は『アマゾンの
料理人』という単行本になりました。
帰国後、アマゾンからカカオ豆を輸入し、それが現地の貧しい人たちの
生活を支えるおいしいものに姿を変え、喜ばれる、という流れを提案、
そのビジネスは静かに一般に広がっているように思いますし、
他の(ギラギラとした野心に満ちた)若い料理人たちにも
刺激やヒントを与え続けているのではないでしょうか。
このカカオ豆から作られたチョコレートに出会う日を
楽しみに待っていたのです。そして、ついに!
友人が久しぶりに会ってくださる、ということで
ご提案いただいた店に、このアマゾンカカオの
テリーヌが用意されていたのでした。バンザイ。
フォトジェニックなパフェやプレートが次々に運ばれるなか、
私の前に置かれた黒いものは・・・生チョコレートの四角い塊。
ネットリしているのに、舌の上でキャラメルのような甘さが
鼻に抜けたかと思ったら、その先はすぐに柔らかくほどけて
消えてゆき、決してしつこくありません。
カカオ豆を栽培している土地で生まれ、暮らしているのに、
チョコレートを一口も食べたことが無い、という人たちのことを
チョコレートが大好きなだけに、忘れたくないな、と改めて思います。
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