「もしこの世の中に幸せなことしかなかったとしたら、
人間の社会はとてもくだらなく、浅はかなものだったと思うのです。
不幸や悲しみそのものは、もちろん喜ばしいこととは言えませんが、
不幸や悲しみをどうやって乗り越え、また受け入れようとするか
といった人間の在り方が素晴らしいと思うのです。」
「人は、自分たちがどうやって受け止めていいか分からないことを、
文学や芸術といった形で表現してきたのではないでしょうか。
そう思うと納得することが多くあります。」
(『暮しのヒント集2』松浦弥太郎・著 暮らしの手帖社 2010年
巻末におさめられた著者との対談より抜粋)
新型コロナを「疫病」と呼ぶのが適切なのかどうか、私には
わかりませんが、まったくもって、そもそも、疫病を封じたり
疫病を退散させたり、疫病からの被害と学びの記憶を長く留めたり
するために、多くの祝祭が生まれ、受け継がれてきたというのに、
その祝祭や芸術が、疫病のために催されずにいる、という現実。
真っ只中を過ぎないと、次の祝祭は生まれないのでしょうか、ね。
コメント