私の興味は、葛飾北斎の老年期を演じた
田中泯さんの演技に集中。
これをどうしても観たかったのです。
予想していたより、もっとはまり役でしたよ。
(他の皆さんも熱のこもった演技でしたが。)
ただ、妙にダンス的な身体表現で映像を引き延ばすように流す
必要なんて、これっぽっちも必要なかったのでは、と。
普通に、他の俳優さんと同じように演技するだけで良かったのに。
顔の皺だけにクローズアップするとか、ニーッと笑うだけでも充分。
絵描きだからって、目力(めじから)ばかりにフォーカスした
宣伝や感想も多いようですが、それは一部でしかないと思います。
それにしても、北斎という表現者は、とんでもなく息長く、
使い回しされてもへたらず、擦り切れず、どっこい生き続けていますね。
新型コロナの影響で、「国内にあるもので展覧会を」って状況下にも
お世話になっている人が大勢いますし、本人がどのような一生を
送ったのか謎も多いとされてはいても、(当時の感覚でいえば、
ほとんど普通の人の倍の寿命を生きたくらい凄い)長生きをして
最後まで「もっと巧くなりたい。なれる」と描き続けたそのエネルギー、
もうそれだけで皆をひきつけて離さない、人間磁石のような人でした。
※ 映画 『HOKUSAI』 公式サイトはこちらから
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