アフガニスタンの人たちと共に生きた
中村哲先生の新しい本が出たので
正月に読んでみました。(斜め読みですが)
先生の活動そのものについては、他の報道や
記録で見知ったものがほとんどでしたが、
この本の中ほどに宮沢賢治の『セロ弾きの
ゴーシュ』全篇が入っており、これを読んで
ちょっとビックリ。
「ゴーシュって、こんな人だったんだ」って!
ものすごく言葉遣いがあらくて、ちょっと荒んだ印象。
腹黒いわけではないんだけれど・・・。
その話を家族にしたら、「それは、最初に読んだのが、お子さま向けの
ダイジェスト絵本だったからでは」と指摘され、腑に落ちたのです。
ゴーシュは、私の頭の中では「とっても優しくて良い人だけど、楽器が
(最初は)下手くそだった。それが、頼まれごとをこなすうちに、
自覚のないままに上達していた」ということだけが残っていたのです。
ただ・・・中村先生も、「自分は聖人君子ではない。普通の人間だ」と
いう意味も含めて、ご自分をゴーシュにたとえられたのかもしれません。
きっと、この作品だけではなく、賢治の他の作品も、他の作家の作品も、
ダイジェスト版だけでわかったつもりになっているものが、たくさん
あるはず。何もかも、今から読み直すわけにはいきませんが・・・。
※ 『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」中村哲が本当に伝えたかったこと』
NHK出版 (NHK「ラジオ深夜便」インタビュー記録集)
2021年10月初版 1,760円(税込)
ISBN-13 : 978-4140818794
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