2020年に91歳で亡くなった音楽家、エンニオ・
モリコーネ。
最晩年の密着映像に基づいた本作は、
モリコーネ自身の回想(これがとにかく
明解でビックリ!)に、高名な関係者たちの
コメントが次々に加えられ、織りあげられた
‘賛歌’です。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』、『ニュー・シネマ・
パラダイス』、『ミッション』、『海の上のピアニスト』、エトセトラ、
エトセトラ、・・・嗚呼!
「映画音楽の概念を越えた、残された作品群が、きっと200年後にも
皆に賛美されるであろう、稀有な才能である」ということですね。
映像に音楽を「付ける」という仕事は、クラシック音楽の世界からは
長く見下されていたために、ことごとく悔しい思いもあったはず
ですが、「やめる、やめる」と言いながらも、映像の添え物ではなく
映像を超越する音楽を産み、映画を一緒に創り上げる仕事に昇華させた
のでした。
そして、そうする間にも、独自の実験的な創作やオケ作品等の創作を
続けていたのでした。その両極の創作の実りが、人生の最後の方に
すべて融合してゆく、という奇跡的な過程を、本人も実感していたと
思われます。素晴らしい音楽と共に一緒に楽しむことができました。
本人が口ずさむメロディ、ピアノで弾くフレーズが、完成された
作品の録音とピッタリと重ねられている箇所がいくつもあって、
これはスゴイな、と思いました。
有名な作品の「メイキング」の様子も織り込まれており、
クリント・イーストウッドやロバート・デ・ニーロの演技の
様子も初めて観ることができました。
なんと!デ・ニーロが演技する際に、モリコーネの曲を
現場で流しながら収録したこともあったなんて!
既に(私が訪れた館では)パンフレットも売り切れていて
やはり人気が高い人であり、作品なのかな、と再認識した次第です。
※ 映画『モリコーネ --- 映画が恋した音楽家』
原題:Ennio: The Maestro (Italian: Ennio)
公式サイトはこちらから
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