ご近所に、ちょっと気にいった食べ物屋さんを持っている人は
多いのでしょうね。
特別じゃないけど、ずっとそばにいてくれるような店。
私の家からそう遠くないところに、
中年を過ぎたご夫婦が、20年くらい前に始められて
ずっとこじんまりと続いているお菓子屋さんがあります。
ホームページも持っていないような、静かな小さいお店です。
素朴なクッキー類、可愛らしいケーキ。
今夏は、水色系グラデーションのゼリーに、
紅い小さな金魚が一匹浮かんでいる、
などというキュートなカップも並んでいました。
ちょっとレトロな雰囲気もあり、味も良いのです。
子供さんの誕生日には、おもしろいデコレーションケーキの
オーダーも受けています。
小ぶりの栗のタルトを、家族が初めて買ってきてくれました。
底が薄いパイ皮、その上に、バターの豊かな香りを湛えた
しっかりした、それでいてホロホロとくずれそうに柔らかいボディが。
そして、ところどころに大粒の栗がのっかっています。
スルリとナイフを入れて、大き目にしっかり切り取り、
うれしくいただきました。
蒸し暑さをやり過ごした後の、今の季節には、
口に入れると癒してくれるような柔らかな味が、
ことのほか似合うと思いませんか?
通販やお取り寄せ、有名店の話題の作品の試食もうれしいけれど、
近所のこういうお店を発掘して、大切にしていきたい、とも思っています。