知人のお子さん、エラちゃんは、もう3歳半になりました。
薄いピンク色のふっくらしたほっぺがトレードマークの
おしゃまさんです。
彼女がまだ3歳になる前のことです。
同じ保育園のお友達が、仲間を集めて、誕生会を開きました。
エラちゃんもお招きを受けて、張り切って出かけました。
ピッツァとコーラ、それにジュースで、
気取らないおもてなしだったそうです。
おとなしくしていた・・・と思われた、エラちゃん。
突然、お食事の最中に、大きな声で言いました。
「コーラじゃなくて、お水をちょうだい!」って。
エラちゃんのお父さんは、お料理とお菓子の仕事をしています。
普段の家族の食事は、主婦であるお母さんが用意しますが、
食に関しては、夫妻で何度も話し合って、
何をどのように子どもに与えて、育ててゆくのか、
最初にきちんと方針を決めたのだそうです。
「できるだけ、毎日、吟味した安全な食材で、気取らず、手をかけすぎず、
普通に私たち大人が食べるものを、子どもにもそのまま
一緒に食べさせるようにしているだけです。
添加物がたくさん入っていそうなものや、どぎつい色のついたものは、
さすがに避けていますけれどね。
エラはね、ピザの味をしっかり感じるためには、
コーラではなく、お水だよ」と、どうも感じたみたいなんですよね。
それを彼女から聞いて、ちょっと、誇らしい気持ちがしてしまいました。
ほとんどのお子さんは、この国でも、甘いジュース類や
必要以上にカロリーの高いものを、際限なく摂っていますし好みますから、
コーラと水のどちらかをあげる、と言われたら、
間違いなくコーラ!って言うでしょう」と、お父さん。
特別に、お金をかけて育てているわけではないけれど、
目に見えない大切な財産を、次の世代に惜しみなく与えている、
そんな子育てです。
エラちゃんは、デンマークの郊外の、
緑に囲まれた白いおうちに住んでいます。