8月30日(水)、東京・新宿文化センターにて、
ユニバーサル・バレエの日本公演がスタートしました。
これから、9月20日(水)の福岡(宗像)公演まで、全11回、
韓国民話「沈清伝」を元に作られたグランド・バレエ『沈清(シム・チョン)』を
日本各地で巡演してゆきます。
創立から22年近く、この作品が生まれて、もう20年です。
西洋でバレエが生まれ、発展した長い歴史とその土壌を思えば、
大変短い期間に、高レベルのダンサー養成機関(ワシントンと韓国)を
設立し、充実させてきた努力とエネルギーは、注目に値します。
このバレエ団に限らず、アジア各国のダンス界では、
東洋人の身体をどう訓練し育ててゆくべきか、という点で、
研究のレベルが急速に進んでいます。
ともすると、日本のダンサーの肉体的な条件の方が、
劣っている場合も、多く見受けられるようです。
知性あふれるプリマとして世界に名を馳せたジュリア・ムーンが、
現在はユニバーサル・バレエの団長になっています。
4歳の女の子の、やさしい母でもあります。
そして、若いダンサーたちの精神的な拠り所、
そして崇高な人生の師ともなって、60名の正団員をしっかりと牽引しています。
『沈清』は、孝行娘シム・チョンが、目の不自由な老いた父親のために
身を売り、艱難辛苦の末に、その孝行が天に届いて奇跡を起こし
大きな幸せを得る、という物語。
88年ソウル・オリンピックの公式招待作品ともなりました。
韓国独自の文化・民族舞踊、美意識、ユーモアとペーソスが
ふんだんに盛り込まれていることと、
「孝」を常に重んずる韓国の人たちの深く強い心のうちが
織り込まれていることから、
国境の問題などで心配事の絶えない今の時代にこそ、
多くの日本の人たちにも観ていただきたいプログラムです。
海や魚の表現、ムーン・ナイト・パ・ド・ドゥー、盲目の老人たちの
目が回復した際に踊られる喜びの踊りなど、見どころもいっぱい。
「ムーンを彷彿とさせる」と期待を集めるファン・ヘミン、
相手役のオム・ジョエンをはじめ、
若い才能がまさにひしめき、互いに競い合って
カンパニーは活気にあふれています。
韓流スター、韓国の映画、テレビドラマ、芸術作品に
興味のある方が多い今ですから、
多くの方に知っていただきたい作品です。
バレエとは縁のない門外漢でも、大丈夫。
楽しめること、間違いなし!
ユニバーサル・バレエ日本公演事務局
Phone: 03-5925-3795