大型台風のために花や木の葉がもがれた後、
この秋はからりと乾いた晴天が続いたので、
木々が「もう春になった?」と勘違いして、
花をつけた、というニュースが各地で飛び交っていました。
それでも、そろそろ、「冬将軍の露払いの子分の子ども」くらいの
冷たい風が、街を舐め回すように襲う日もあります。
いよいよ厚手のジャケットや、コートが恋しい季節が目の前に。
身体のラインを誇らしげに出して歩くことには、もう興味がなくなり、
「包む」「覆う」役目を持った服が好きになってきました。
俗に言う「はおりもの」ですね。
でもねぇ、優しく包んでくれるものばかりではありません。
今シーズンは、トレンチコートが流行っているのだとか。
どちらかと言えば、正統派のトレンチは、
背が高く、骨格もしっかりした人にこそ、似合うものだなあ、と
個人的には思っています。もともと軍用コートですしね。
映画やドラマの中で、ボロボロに限りなく近くなるほど着古したトレンチは、
それはそれは粋に見えますが、
自分で20年以上使っているものは、粋じゃなくて、ただのボロになってる。
それでも、着たい。
口を真一文字に結んで、ルージュをひいて、目線を上げて、背筋を伸ばす。
ぐっと気分が引き締まる服なのです。
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