Nibroll(ニブロール)という表現集団が、2年半ぶりに新作を発表しました。
東京ではなく、福岡で。
"NO DIRECTION, everyday"(10月28日 福岡・イムズホール初演)
「つながり」ということや、「ただ一つの価値観にだけ皆が向かっていく」という行為を
この集団は一から解体して、ダンス、演劇、美術、映像、音楽、衣裳などのジャンルから
様々な表現者が話し合うことから、独特の世界を創りあげてゆくようです。
参加メンバーも、作品や活動ごとに流動的で、
振付で名を馳せている矢内原美邦(やないはら・みくに)が率いている、という
私の先入観とは、随分異なっていました。
「ニブロールは、名詞ではなく、動詞。
ニブロールする、という動詞なんです」
「いま、つながっている、という意味を完全にあらわす言葉が、
どうも見つからない気がするんですよね」
こんなつぶやきが、公演後のアフタートークで飛び出していました。
何かを強く主張するでもなく、何かに絶望するわけでもなく、
それでも、911以後に劇的に変わったと言われる世の中を見据えて
エネルギッシュに前に進もうとする意気込みのようなものが、
映像の前で踊るパフォーマーたちの身体から放出されたのでした。
矢内原は、次のように話をしました。
「ユニゾンが嫌いで、これまでの作品では使わなかったんですけど、
今回のには、少し入っていますね。
例えば、頭の中に三角形を思い浮かべているけれども、
実際には四角形を身体で描いて見せている、というようなこと。
(たぶん、意識の奥底で、ユニゾンさせることが可能だ、と思っている、という意。)
それができるダンサーと、まだそこまでできないダンサーが
今作品にはまだ混在している状態ですが、
私の表現したいことは、そんなことかなぁ。
あるダンサーが、片腕を大きく縦に振っていると、
隣りのダンサーは、片腕を大きく(同じスピードと振幅で)横に振っている。
こんなのもユニゾンでしょ?」
ばらばらに見えても、大きく引いて見てみると、
どこかで調和していたり、つながっている。
そんなことを考えるのは、
やはりこの世の中に(まだ)希望を感じていたい、ということでしょうか。
※ニブロールの公式サイトはこちら↓↓↓から
http://www.nibroll.com/
※矢内原美邦のブログ↓↓↓にも、公演感想ほか
http://www.nyyg.com/mikuni/
※衣裳を担当している矢内原充志のセンスにもご注目!
服の通販↓↓↓もやっています。
http://www.nibroll.jp/store/