スウェーデン滞在中、「ブッレ」 ---
パンの生地に サフランを練り込んだもの
--- を、 焼き立ての柔らかい香りと感触とともに、
何度も堪能させてもらいました。
「高価なスパイスだけどね、身体を温めるから、
冬の料理には欠かせないわねぇ」と、友人。
ストックホルムに、スカンセンという施設があります。
野外博物館と動物園を複合した、市民や観光客の憩いの場所です。
様々な催しも行われますが、昔ながらの建築物や、
その昔、国内各地にいた各民族の生活習慣を保護・紹介しているだけではなく、
当時の格好をした職人が、伝統的な作業を実演してみせたりもしています。
毎年11月に入ると、博物館の中のパン屋さんが、
昔ながらの製造法で焼いたこのブッレを売り出します。
この情報を入手して、わざわざ初日にスカンセンまで出かけた週末の朝、
街は横殴りの雪に見舞われ、
高台のスカンセンにあるそのパン屋さんまでが、とても遠く感じられました。
ブッレは、凍えた私の両手の中で、ホッカリと甘い湯気を立てていました。
遠い日の思い出です。
サフランは、妊婦さんは口にしないほうが良い、とのことです。念のため。
コメント