目に焼きついて離れない、素敵な女性。
寒さの厳しい冬のある日、
ストックホルム市内で、バスの中から見かけました。
紺色の毛足のやや長いウール地。
普通ならば、コートに仕立てる素材です。
ところが、この女性は、ツーピースに仕立てたものを
颯爽と着こなして、粉雪の吹きつけるビルの入り口に立っていたのでした。
ロング・タイトのスカートと、細身のジャケットとのお揃い。
ウエストに、共布の細いベルト風サッシュ。
スーツを着ていたのは、30歳代の細身の女性で、
服に似た紺色の細いフレームの眼鏡をかけていました。
黒い何の飾りもないアンクルブーツ、そして大きな皮のショルダーバッグ。
黒髪のボブ。染めておられたのかどうかは、わかりません。
真紅の口紅だけが、全体のアクセント。
遠目から、それもほんの一瞬だったのに、寒さが厳しくなるたびに思い起こすのです。
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