もうすぐ還暦かな、という女の先生ですが、
頭も身のこなしも声も、しっかりとしていて艶とハリがあります。
小柄で、ベリー・ショートカット。化粧も最低限しかしておられません。
泣き叫ぶ赤ちゃん、耳の遠くなったお年寄り、
皆、率直で素早い先生の言動と治療のおかげで、
流れるようにさばけて治療を終え、帰ってゆかれます。
たまたま、治療室から漏れ聞こえてきた先生の声。
「あのね、お耳が遠くなっても、それが深刻な病気からくるものではなく、
身体全体の老化によるものだったら、あまり気にしないこと。
今は、きちんと検査して、器具できっちり調整すれば、
ちゃーんと聞こえるようになります。
必要以上に悲観しないこと!」
「うがいやってる?1~2回、ガラガラってくらいじゃ駄目だよ。
一度やり始めたら、だいたい5回くらい(液をかえて)やってね」
病院に集まってくる患者さんが、必要以上に嫌な気持ちにならないような、
どこか希望を持てるような、そんな言葉と治療。
それを適時にきちんとかけてくださる先生は、今そんなに多くないのかもしれません。
ここはね、看護婦さんや受付の女性たちも、みんな長くお勤めが続いているのです。
K先生。まだずーっと長生きして現役で頑張っていただかないと、いけませんよ。
診察してもらう、という意味だけではなくて、一人の女性としても、私の目標です。
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