池田晶子さん。今年2月に亡くなってしまいましたね。
気になっている人ではありましたが、
読書は後回し(世の中に本は山ほどあるので
こういう‘遅れ’ばっかり)になり、
今頃慌てて、あれこれ読んでいる始末です。
「考える女性」でした。そして、普通の言葉で表現しようとされました。
「死」についての考察他、あっという間にこの世を去ってしまわれた後に
一層深く重く迫ってくるフレーズが、いくつもあります。
その中から、本日は一節だけを以下に。
「普通の真理を独自のスタイルで表現できないということは、
じつはその真理は完全にその人のものとなってはいないのではないか。
肉体となり血流となってはいないのではないか。
文体は肉体、それこそが、
その人であって他の人ではないことを示すその独自性だ。
この世におけるその覚悟だ。
だから文体を所有しない人は、
思想家としても本物ではあり得ないはずだと、私は思っています。」
(『暮らしの哲学』 池田晶子・著 毎日新聞社
07年6月30日発行 ISBN978-4-620-31820-2 1,333円+税)
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