20年以上も前に、天然酵母のパンを焼き始めた、下町の小さな店。
若い女性が一人でつましくスタートし、
なかなか固定客のつかない状態が長く続きました。
店主の両親が、まるで行商のように、
一件づつ近所や郊外の住宅地を回り、
地道に営業をなさっていたのを記憶しています。
「割高な値段でも、身体に良いものを」という価値観を持つ消費者が
増えてきた最近では、開店当時の苦労が嘘のように繁盛しています。
天然酵母を使ったパンを焼いて商売をする人たちも増えました。
時代がやっとこの店のコンセプトに追いついてきたのでしょうか。
主食という概念、米を食べる習慣に、あまりこだわらない人たちが
増えていることにも、何か関係があるのでしょうか。
「おかあさん、今日は僕の好きなのを、買ってもいい日だよね。
僕、人参クッキーが好きなんだけど・・・今日は無いみたい。
(店の人に向かって)おばちゃん、今日は売り切れですか?」と、
まだ小学校に行っていない子が自分で熱心にお買い物。
ひと目でアトピー性皮膚炎だとわかる子です。
このお店のお菓子とパンを、とても楽しみにしている様子。
今では、小さいファンもたくさんいる店。
たくさんの人たちの命を支えるパンを
毎日毎日地道に焼き続けておられます。
各地に増えていますよね、こういうお店。
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