渡辺淳一さんの直木賞受賞作『光と影』(1970年)を読んだのは
中学生の夏休みでした。
西南戦争で、似たような腕の怪我をした二人のうち
カルテの順番のせいで、一方は切断、もう一方は温存となってしまいます。
その後、どんどん光の当たる方と闇の底とに、人生の道が分かれていきます。
ぞっとしたやら感動したやら、なにやら理屈もわからないまま、
強烈な印象を受けたことだけが、私の中に残りました。
連日報道されている大分の教職に関する不正(汚職)についても、
(妙なものを贈ったり受け取ったりした人たちは、この際隅っこに置いておいて)
試験で合格ライン以上の点数を取った人が、
意図的な減点(点数操作)によって不合格になっていた、
というところが、ずっと気になり続けています。
不合格になった後も、再び挑戦し、
結果的に初志貫徹できた人もいるのかもしれませんし、
「これから合格にする」という処置に応じる人も
出るかもしれませんが、
不合格のまま、この道をあきらめた人、
今さらもうその岐路には戻れない人もいるでしょう。
人生、何がきっかけで、どう転ぶか、まったくわかりません。
努力とか運命とか、そういう言葉が何と薄っぺらに感じられることでしょう。
同業を安易に子が継ぐこと、別の地域では同じような不正は無いのか、など
このニュースから考えさせられることは、まだ多くあります。
※「1970年に中学生?と、いうことは、カルビーナは現在○○歳かー」とは
計算しないようにしてください。
直木賞受賞直後に、初めて読んだわけではありませんので、念のため。
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